株式への長期投資は単なるバイアンドホールドではありません。その本質は企業の長期成長性に株主として資本を提供し、時間の経過と共に顕在化する成長ポテンシャル(均衡価値)を市場が追認する過程を展望することにあり、その洞察を如何に的確に行うかということにあります。
このような視点で株式を考える場合、経営者を中核とする良きガバナンスの存在が企業価値創造の必須条件になってきます。そこでの良きガバナンスとは、企業成長を希求する経営思想を具現化した仕組みと考えます。
当研究所名の「つかさ」は、 "Governance" を意味する ”つかさどる” という言葉を映じたものです。今日の経済環境において、ガバナンスは自律的な成長を志向する企業経営の必須要素ということができるのです。
当研究所は、代表取締役田倉達彦の35余年に及ぶ機関投資家・ファンドマネジャーとしての投資実務経験に基盤を置く実践的な研究成果を長期投資に応用することを目指します。
田倉 達彦(プロフィール)
株式会社つかさ長期投資研究所 代表取締役
【主な職歴等】
1985年 東京海上火災保険株式会社 有価証券部 株式運用担当
1995年 東京海上アセットマネジメント株式会社
2008年 同社 執行役員(株式運用部長)
2015年 株式会社つかさ長期投資研究所 代表研究者就任
2017年度 一橋大学・非常勤講師
2017年度より早稲田大学・非常勤講師(現職)
2022年度 立正大学・非常勤講師(金融論)
☆株式ファンドマネジャーとして、小泉政権時の上昇相場(2005年9月の郵政解散選挙以降の構造改革期待を映じた株式市場上昇)においては、公的年金資金を中心に5,000億円を超えるアクティブ運用を担当。日本人ファンドマネジャーの運用実績においてトップクラスの経験を有する。
【学歴・資格等】
一橋大学・経済学部卒
博士(経済学)
CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会検定会員
日本金融学会会員、行動経済学会会員、日本財務管理学会会員
著書:「アセットマネジメントの世界 第2版」(共著:第2章)東洋経済
21世紀のグローバル経済下、長期的に株主資本を提供するに足る成長企業ユニバースを定義しつつ、企業価値の増大を反映した長期的な成長機会を追求するための調査研究と投資活動を行うことを目的とします。
長期投資の意義【基本認識】
21世紀の経済環境は、高度な情報通信技術の浸透により、かつて人類が経験したことのない異次元の情報化社会にあるといえます。その実態は、グローバルなレベルでのICT及びAIを基盤とするネットワーク経済という特質を有しますが、そこでの企業経営は如何なる価値観をその基軸に据える必要があるでしょうか。
いつの時代も、企業家の先見性とリーダーシップは企業経営の普遍的な本質といえます。しかし、今日の企業価値創造の方法論は、環境変化の本質を捉え、変化を先取りする戦略的思考を実践することにあり、それこそが決定的な成果の違いにつながっています。
本研究所は、長期という時間軸を、株式が企業の公正価値(均衡価格)に到達する期間と捉えたうえで、「新しい時代の経済構造を描き出し、そこで求められるソリューションを考える」という観点から、企業の長期的な成長性を評価する理論フレームワークを構築するとともに、投資活動に取り組んでいきます。